はじめに

Ruby/Tkは,GUIをRubyで開発するためのライブラリです.GUIとはグラフィックを用いたユーザインタフェースです.そしてもともとGUIはスクリプト言語向けの(相性が良い)領域です.というのは,GUIは計算機資源を消費するため,もともと処理能力を重視するアプリケーションには不向きです.その点,処理速度を特に重視しないスクリプト言語で書かれたアプリケーションの組み込みには適していると言えます.

Tkは,ToolKitの略で,スクリプト言語tclのためのGUIライブラリです.ソースがフリーであること,概観,汎用性,移植性,性能等の点で多くの開発者の支持を集めています.

一方,Rubyは他言語に比べて開発コストが低い,移植性が高いといった特徴があります.Ruby/Tkは本家Tcl/Tkをいわば間借りしたものですが,相性が非常に良く,たいへん扱いやすいものになっています.このことは,Ruby/Tkを使用していくうちに実感できる事でしょう.

本稿では,各ウィジェットを用いたRubyプログラムサンプルと生成される画面を掲載し,インスタンス変数の一覧を紹介しました.また,特に使用頻度が高いと思われるメソッドもあわせて掲載してあります.なお,オブジェクト指向言語であるRubyの概念に合わせ,Tck/Tkでは'オプション'と呼ばれる属性値をインスタンス変数,同様に'コマンド'をメソッドと呼称してあります.


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