LFG


教科書の P.10 に文脈自由型で書いた句構造規則が ある。LFG は、このような句構造規則に句の文法的 機能を付加したものである。

但し、句構造規則は 句の構成とその並びを語や句の標識を使って規則として表したものである が、LFG は規則の中に現れる標識が表す素性構造 の構成とそれぞれの素性構造の間の関係を表したものである。句構造 規則の基礎的な説明は、教科書の第一章にくわしく 述べてある。

LFGは、Lexical Functional Grammarの略称である。

Lexical とは、語彙論的ということであり、辞書に記述してある情報 に基づくという意味である。但し、人間が使う辞書ではなく、 計算機が使う辞書である。計算機が使う辞書は、形式的に 表される文法機能や意味などが書いてある。

Functional とは、二つの意味を表している。一つは、機能的 ということであり、もう一つは関数的ということである。機能的な 部分は、規則に付加した文法機能のことであり、関数的とは 文の解析で連立方程式を解くという算数的な処理のことである。

Grammar とは、文法ということであり、LFG が文法理論であることを 示している。

LFG の素性構造表現は主に表層的文法構造を表すものであるが、 Semantic Form と呼ぶ「意味」を記述する部分もある。しかし、 その内容についての言及は全くなく、表層的構成を書くように なっている。「意味」はその Semantic Form を解釈することによって でてくるということになっている。


演 習